何も知らない人にタイトル名言うと大体グロだろ?って引かれるので毎回違うって説明するのめんどくさい。違うから。
※まぁ一般視点だとグロ表現はあるにはあるか…。
というわけでマングローブ倒産で制作が頓挫した経緯があるのでもしやこれもガンドレスでは!?と思い最初は乗り気じゃなかったけど、その後の予告編が良さげだったので観てきました。
結果、内容はちゃんとやり切ってて表現の妥協も極力少なく、良いものでした。
ただ、原作スルーで初見だとダルい、厳しい、と思うだろうシーンが多く(ディティールが省略されているので初見だと意味が判らない&元々長セリフが多い&描写に遠慮が少ない)、原作は読んでおく、メタルギア1~4までプレイするか内容を把握しておくと良いと思われます。
とりあえず素で原作もメタルギアも知らないアニオタ風男子が、原作もメタルギアも知らないアニオタ風女子を、知ってる感出したくて調子こいてデートで誘うような映画では無いと断言出来ます。これは「君の名は」「この世界の片隅に」と大きく違い、原作厨向けでターゲットが至極狭いです。
この作品においてはスパイを扱う作品とかメタルギアシリーズの概要・テーマ・テクノロジーを知っている上でメタルギア2で主に扱われる「ミーム」=「本作品における言語の在り方」だなあと解釈すると急に判りやすくなる(気がする)んだけど、それが無い状態だと「なんで救出部隊が来るの?」「HUDの有無の意味は?」「フラットラインとは?」「マスキング?」「人工筋肉?」「ジョン・ポールって要は催眠術師?」「自由の対価?」「何故チェコ?」「スネークがスネークに指示出しとか胸熱」とかで話が無限ループかすぐ終わる可能性があるので、そこを上手く説明出来るかで無理に連れてきた女子を口説けるかどうかが大きく変わってくるでしょう(私見)。
監督コメントでもセリフを極力削らない様にしたというのがあるので、やはりマス向けじゃなくて「虐殺器官好き」に特化した映画と言えます。
ほんとに動かないでセリフのやりとりするシーンが多い(が正しいんだけど)ので、一緒に行く相手の適正には注意したいところ。
ただその分というか、確かにこれは「おれらの観たかった虐殺器官」だという事においては非常に良く出来ているので原作読んでるorメタルギア大好き勢は是非劇場に行くべきでしょう。
惜しむらくは公開劇場がかなり少ないという点。
とにかくマス向けエンタメアニメでは無いので、くれぐれも予備知識無いまますぐつまらんと叫ぶ勢には注意を喚起したい。その代わり、属性に対する火力は突出している。
最後に。
「これの監督がもし押井守だったら、このシーンはセリフ回しだけか色々動かしてるけど真っ暗で何やってるか判らない画面にしちゃうんだろうな」っていう所が非常に多いので、想像しながら観ると楽しいと思います(例:イノセンス)。