はい。面白かったのは面白かったですね。ただ「シン」を冠する中では…。
ちなみに自分は「ウルトラマンA」リアタイ勢なので、初代~新マンらへんは「印象的な回」しか覚えがない事を予め。
とりあえずバトルシーン関連は流石やってくれるといった感じで、基本カッコいい。ウルトラマンがガチガチに圧倒的な力を持った描写は熱いものがある。
ワザとミニチュアセットの中で戦ってるっぽくしてるのもリアルとの狭間感があっていい。
あと動き。ちゃんとプロレスしてる。
改めてエヴァンゲリオンはウルトラマンなんだなあと思いました。
バトル以外の要素だと「光の国の住人」が別に地球の味方じゃなくて「銀河の観測者」みたいに若干敵性を孕んだ存在で描かれているのも、人類とはレベルが違うという所が強調されていて良かったと思う。
他、ザラブやメフィラスの外星人がいちいち条約締結交渉に来るところとかが、「っぽい」。
怪獣着ぐるみ小ネタの所は別に踏襲しなくても良かったけどな。メフィラスで都合付けてるからいいのかな。
ゼットンとのバトルはかなり思ってたのと違うのでんーここは地形がめちゃくちゃになるくらいのクライマックスバトルを期待していたが…。
まあ綺麗に終わったから良しとする。
が
本作は冒頭で述べた通り「シン」としては…。
ドラマ部分がとにかく冗長で、監督の力量差がモロに出ている。
※勘違いしている人多いけど、本作は「樋口真嗣監督作品」です。庵野秀明がガチガチに関わってる訳でないです。
人間ドラマ部分のやりとり、キャラ描写、いまいちじゃありませんでしたか?なんかダルくなかったですか?
ザラブ星人とウルトラマンの会話シーン、トンネル車内でいいけどせめて夕焼けバックでもう少し早く終わらせいよとか。
メフィラス星人との会話シーン、公園でブランコ?とか。
これ庵野秀明演出だったらもっと情緒的でダレないシーンになってたと思いますね。
ラストの方、シン・ゴジラみたいに「禍特対がやる!」っていう盛り上がりに欠けてませんでしたか。
というか、禍特対が言うほど霞が関の独立愚連隊になれてないんですよね。独立研究機関て感じで。案件介入出来る権力もあるし。
そしてキャップ西島秀俊の存在感が希薄…演技力かもしれないけど。たまに棒演技になってて緊張感感じられないんだよな。
長澤まさみをいかに生々しく撮るかって事ばっかに力入れて…。巨大化もウルトラマンネタでいいんだけどスカートでカメラ跨ぐのは昔のアニメかよ!みたいなとか。ケツ叩く伏線が全然エモくないとか。
とにかく何度でも言うよ。ドラマ部分がダラダラしてて、長さの割に情報量がやたら薄いんですよね。シン・ゴジラはそこを詰め詰めでやってたからダレないし観やすかったのに。
これほんと残念。樋口真嗣は人間ドラマの演出に興味無いんだろうな。ギャグのタイミングも寒いし。
あとゾフィーのデザインはゾフィーを踏襲して欲しかったなぁ。ゾフィーっつったらツブツブでしょ。誰かと思ったよ。
しかしここまで文句垂れてても、普通の邦画よりは全然面白いので、人間ドラマの盛り上がりがもっとあれば更にアッパーな作品になってたんだろうなぁ…が余計悔やまれる訳です。
そもそもが人間主体の話の筈だしね。ポスターにも「友情」ってあるし。
本作そんなにネタバレ即死な映画じゃないと思う。ウルトラマンを知ってても知らなくても。
知ってたら概ね既定路線だし、知らなかったらそういうアレか、だし。シン・ゴジラほど「そういう事やるんかい!」な所は無い。
パンフ売り切れで買えなかったけどもーいいかな。でもアートワークは後で買います。
急でなんですが、シン・ウルトラマンA宜しくお願いします。
シン系オタに超おすすめ本 紙版はプレ値ですが。