シン・仮面ライダー ネタバレ感想

「シン・ゴジラ」的なカタルシスは間違っても期待してはいけない。
この作品は庵野秀明が公式の力を借りて作った同人映画です。


※前置き追記
私は古のオタクの末席の彼方なので、これをもし読んでしまった怒れる先人がいたら「こいつわかってねーな」で許してください。

まず前提知識がかなり膨大に必要かつ、庵野芸を受け入れる事が苦で無い人でないと退屈な作品になる可能性がかなり高いと言えるでしょう。

一体この令和に誰が「ロボット刑事K」「キカイダー」「イナズマン」「昭和ライダー初期」「真・仮面ライダー」「新 仮面ライダーSPIRITS」etc…
を 確実に拾えるのだろうか?

冒頭のvsクモオーグまでで、「チェイス部分がバイクからトラックになったんか」「vsショッカー構成員の動きが1話と同じだ!」「1話と同じロケ地だ!」はただの触りというか、どうでもいい。
この後ありとあらゆる「庵野秀明」を観客に詰め込んでくる。それこそ旧劇エヴァなんかより無理矢理口に突っ込んで来るのですよ。

これまでの「シン」は全て着衣の庵野秀明だった。今回は全裸且つダイブしてくるんだよ。
しかも性質が悪い事に、それが全裸なのかダイブしてきてるのか、前提条件をある程度クリアしているオタク以外には「非常にわかりにくい」のだ。
要するに何を見せられているのか全然分からないと。そしてそれの初心者向けの救済措置が一切無い。マジで無い。

以下のシーンは「何となくでも知ってる」とネタとして楽しめるけど、「何も下地が無い」とただ意味不明なシーンになる代表格。

▼「仮面ライダー」なのに、何故いきなりロボット刑事K(としか思えないキャラ)が出てくる。
そいつの前身がどう見てもキカイダー。
※この辺、ライダーしか知らないと話なげーなで終わり

▼vsハチオーグの所はキル・ビルとか必殺仕事人感 追記:加速装置表現か?
※ここはカット割りが忙し過ぎて何を見せたいのかよくわかんない

▼一文字隼人との絆形成が胸熱 ダブルライダーキック…!
※昭和ライダー見てないと熱さがわかんない

▼ラスボス・チョウオーグがダブルタイフーンベルトと白マフラーでV3と思わせといて仮面ライダー0号だけど結局イナズマンベースなんだよな!!!???
※そもそもイナズマンとは?て古のオタク以外はなる

冒頭の容赦無い「改造人間の本質」みたいな見せ方は凄い良かったのに、その後は「どれがネタだ」「これはネタっぽいけどわかんない」が終わりまで続く。
自分はある程度石ノ森章太郎ワールドを知ってるのでまだマシだったけど、そこ知らないでヒーローものだってただ見るとつまんねーになっても仕方無いと思う。
知らん奴は知らん!て突き放して来るからこれ。

よく東映がこれ許したなって思う脚本。
シンゴジ程のヒットは無理だろうなあ。いくらなんでもエンタメ性に欠ける。エゴが強くて消化出来ない。
でも庵野が全裸なのでシン・マンより編集まともで観れるんだよな…。

という訳で、私は多分円盤を買います。それが私の幸福です。

ただ繰り返しますが前提知識が全く無くても面白いシン・ゴジラ、あれとは性質が違いますので、くれぐれも注意を。
そして前提知識や下地があっても、映画として手放しで面白いって言える内容ではないので、そこも注意かなと思います。

どんなに最低でも「仮面ライダー1話」はせめて見てから臨みましょう。
平成ライダーから見てっから~とかヌルい事言ってたらダメ。やられますよ。

最後思ったけど
立ち位置的にルリ子が綾波でハチオーグがアスカ。猛はちょっと意思がはっきりしてるシンジ。隼人はトウジ(か、マリ)。ですよね?

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