ゴースト・イン・ザ・シェル を観てきました もちろんネタバレ有り

アニメ版(というか押井守版がメイン)への愛のクセが重いが、やる事やってるので実写化の中ではかなりまとも。

とりあえずめんどくさいおじさん視点での感想を挙げていきましょう。

不満点
・フチコマ(タチコマ)がいない→だから攻殻機動隊じゃないのか!
・攻性防壁の概念が無い
・アニメ版Ghost In The ShellとイノセンスとS.A.C.(2nd含む)の具材を闇鍋にした様な感じ
・↑なので人形使いと笑い男とクゼを混ぜるという無茶しやがって…
・荒巻たけしが完全にヤクザでしかも滑舌が悪く英語字幕からセリフ内容を読み取らねばならないシーンがそこそこある
・義体が浮く
・電脳セックスをしそうでしないどころか電脳に接続すらしてなかった
・光学迷彩バトルの時にPPK(パイの双拳旋風腿)をやってない
・少佐が荒巻に敬語
・ネットが広大じゃない
・「長州のバトー」の方が似てる
・愛が重い

良かった点
・吹き替えの配置と演技良好
・アニメ寄せ度が非常に高いもしくはまんまじゃんシーンが数多存在する
・↑挙げていくとキリが無いが VS多脚戦車とかイノセンスみたいな突入とかラストシーンとか
・スカーレットヨハンソンのメイクが素子に寄せてる感じでいい
・バトーのキャラがちゃんとバトーしてる
・トグサにちゃんとアジア人使ってる
・イシカワとサイトーもいるぞ
・ボーマもいたんか
・有翼ヘリも出るぞ
・ビルのホログラム広告の中にひっそり「イノセンス」がある(フォントもそのまま)
・実写化の時に無理矢理入れられがちなクソみたいな恋愛描写が無い
・愛が重い

元々が相当の予備知識を必要とするもので初見殺しだし、派手なIPでもないから大ヒットってのはちょっと想像つかないし実際そうらしい(悲しい)。
ビジネス的に一般向けにしたい所と、オタ的にどうしても再現したい所が上手く混ざらなかった印象の映画。
あとは主に押井守版の雰囲気を出したかったんだと思うけど、間が多くてちょっとダルいなあと思ってしまった。

ヒットしてない理由の一つに素子が日本人じゃねえんだホワイトウォッシュだーっつってアメリカではレビュー荒れた、とかあるけど、日本人アサインしてもパッとしないんじゃないだろうか…。
これ観た後だと、演技・ビジュアル共に配役がスカーレットヨハンソンで大成功としか思えない(観る前は不安でしたが)。
メイクも寄せてるし、そもそも「義体だし」っていうとこでも納得は行くでしょう。

自分は今までのアニメ版も全部絶賛しない感じで実はそこまで好きじゃなくて(勿論嫌いでもないのだが)、漫画原理主義者のマジでめんどくさいおじさんなので色々不満も多いけど、これが日本で実写化されていたら予算の関係でかなり悲惨な事になってたと思うので、ここまで金使って作ってくれてありがとうとは言いたい。
次作、恐らく制作されないだろうけど、期待しないで待ってる…。