特に面白くはないけど、映画館で観るべき作品。
IMAXに特化したその映像は物凄く観る側に殴りかかってくるものになっており、
セリフ量が極小もあいまってか、ずっとこの肉旨いだろ!喰え!みたいな感じになってる。
劇中の各レイアウトも「絶対にお前ら大画面で観るよな!」という事を前提に作られているので、監督のエゴを感じる。
下手するとマッドマックス以上にセリフは無い。だけど画面の圧倒力で物凄く押してくる。
しかも、ダレない。逆に言うとこっちをリラックスさせてくれない。常にピーク。
決して話が面白いとかは無い。主人公が戦場から生還するだけの話だから。
となれば道中を派手に演出しそうなもんだけど、最近までの戦争映画によくある「グロ描写」「火器エフェクトの過剰演出」は、ほぼ無い。
なんだったら死ぬ描写が極めて少ない。だけど画面から来る緊張感は終わりすなわち「ダンケルクからの脱出」を主人公が果たすまで、ずっと続く。
戦争描写においてよくある俯瞰じゃない、各ポジションからの視点が混ざり合うところはこれもまた珍しいし、「インターステラー」にも少しだけ通じるかもしれない。
視点が3つあるのだが、「一週間」「一日」「一時間」とスパンが分かれている。そしてそれが見事に最後、時間軸が完全に合う。
話は本当に面白いとか無いんだけど、大画面IMAXで絶対観るべきな、「画の暴力」を感じ取れると思います。
こればっかりは家のテレビで観るものじゃない。
IMAXの映画とはこういうものだ、というノーランの意思とエゴを感じる。
これは円盤買わないと思う。劇場での体験が全てだと思うからだ。